ニホンザルは、世界でも珍しく寒い地域にも住んでいる。
雪が降るところの野生ザルのことを、“スノーモンキー”って呼ぶんだって。
スノーモンキーに会いに行くっ！毎日、ワクワクして過ごした。
だけど、野生のおサルさんの住むところは、人間にとっては、険しい道だった。
あっ！スノーモンキーだっ！
山で、スノーモンキーに出会ったら、疲れがブワーっと吹っ飛んだ。
不思議っ！
スノーモンキーは、人間には目もくれず、雪の中から食べ物を探している。
スノーモンキーは、寒くなると、谷に降りてきて、地獄谷温泉に入って暖を取る。
ある日、１匹の子ザルが、温泉に入ってみたのが、はじまり・・・。
子どもは、すごいなっ！
常識とか、慣習とかじゃなくて、好奇心だけで、行動できるんだもの。
本当は、人間だって自由だけど、いろいろな不安や恐れで、なかなか行動できないこともあるよ。
すごいな、ほんとに。
温泉の湯気で、雪山なのに、ほんのり暖かい。
ボーっと見ていたら、大きなスノーモンキーが、わたしの横をスルリとすり抜けた。
しれっと、温泉に入る。
わたしのこと、見えてるぅ！？
温泉の入り方は、十人十色。
というか、十猿十色っ！
まず、温泉に入らずに、足先だけあたためる者とか・・・
温泉水を飲んでいる者。
じっくり、温泉につかる者・・・
んっ！？寝てる！？
「( ﾟдﾟ)ﾊｯ!今、寝てた・・・」
何もしない・・・。
そういう時間を大事にしている同士は、ここにもいたのか～っ！！！
夢中になると、雪山はコワい。冬は、すぐにあたりが暗くなる・・・。
そろそろ、帰らなきゃ・・・そう思っていた。
「そろそろ、俺たちも帰るよ」
そうだ、スノーモンキーのねぐらは、山の上なんだ。
スノーモンキーたちが家に帰るんだから、わたしも帰ろう。
今日は、あったか～いお風呂に入りたいっ！
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